この建築のもう一つの主役は、大仏を優しく包み込む自然そのものだ。初夏になると、すり鉢状の傾斜地を埋め尽くす15万株のラベンダーの花が一斉に咲き誇る。紫色の波が丘全体を覆い、風に乗って漂う爽やかな香りが訪れる者を迎え入れる。「ラベンダーの丘」と一体化したこのコンクリート建築は、時間帯や季節の移ろいによって刻一刻とその表情を変えていく。
冬になれば一面の銀世界へと姿を変え、雪をかぶった頭部が静寂の中で際立つ。文化観光・景観デザインの観点からも、自然と人工物、そして宗教的モチーフがこれほど極限まで調和した例は極めて珍しい。季節を変えて何度も再訪したくなる理由がここにある。