「年配になると味付けが濃くなる」と言われる現象には、明確な生物学的根拠が存在します。味蕾の数は乳幼児期にピークを迎え(約1万個以上)、その後は加齢とともに徐々に減少していく宿命にあります。
高齢期に入ると味蕾の数はピーク時の半分近くまで減少し、細胞自体の感度も鈍化します。さらに、加齢に伴い唾液の分泌量が減ることも大きな要因です。味物質は唾液に溶け出さなければ味蕾の奥へと届かないため、口内の乾燥(ドライマウス)が進むと味を感じにくくなります。
知らず知らずのうちに塩分や糖分の過剰摂取につながり、高血圧や生活習慣病のリスクを高める原因にもなるため、日常的な味覚の変化を見逃さない観察が大切です。