野呂佳代のアイドル人生における最大のターニングポイントとなったのが、2009年8月に発表された「SDN48」への移籍と、2010年2月のAKB48完全卒業です。SDN48(サタデーナイト48)は、20歳以上のメンバーで構成され、土曜深夜にセクシーかつ大人向けの公演を行う姉妹グループとして発足しました。
当時のメディアや一部のファンの間では、若返りを図るAKB48本体からの「体裁のいい左遷」「肩たたき」ではないかと辛口に囁かれました。AKB48が『RIVER』や『ポニーテールとシュシュ』で社会現象化し、国民的メガヒットを連発し始めた絶頂期に、深夜帯の派生グループへと籍を移すことは、タレントとして受け入れ難い屈辱を伴う決定だったことは想像に難くありません。
しかし、秋元康から「SDN48の初代キャプテン」に任命された野呂佳代は、腐ることなくその運命を受け入れました。個性の強すぎる大人の女性メンバーたちをまとめ上げ、未開拓の深夜公演を満員にし、2010年11月にはメジャーデビューシングル『GAGAGA』をリリースしてアジア展開を果たすなど、グループの牽引役として粉骨砕身の働きを見せました。
2012年3月、SDN48の全メンバー同時卒業という突然の幕引きによって彼女のアイドル人生は区切りを迎えます。しかし、このキャプテン時代に培った「過酷な現場を俯瞰して回すMC力」「どのような無茶振りにも折れない精神力」こそが、その後の芸能界を生き抜く無二の武器となっていったのです。