実際に警察署を訪れた被害者は、窓口でどのような体験をしているのでしょうか。当事者の告白や各種コミュニティに寄せられる生の声からは、現場で繰り返される典型的なパターンが浮き彫りになります。
「マッチングアプリで投資を持ちかけられ、指定口座へ300万円を振り込んだ後に連絡が途絶えた。警察署へ行くと、『振込履歴だけでは相手が嘘をついていた証拠にならない。相手の住所や本名も分からないなら、うちでは扱えない』と刑事課の入り口で断られた」(30代男性・会社員)
「SNSで名誉毀損と取れる誹謗中傷を受け、印刷したスクリーンショットを持参した。しかし担当官は『ネット上の悪口はキリがない。アカウントを消して自衛してはどうか。どうしてもと言うなら民事で発信者情報開示請求をやってから来て』と、終始事務的に追い払われた」(20代女性・自営業)
これらの事例に共通するのは、「犯人の特定を被害者側に丸投げしている」点です。本来、匿名の犯罪者を特定し証拠を固めることこそが警察の捜査権限であるはずですが、証拠が脆弱な初期段階では「被害届を受け取っても書類送致まで持っていけない」という判断が先立ち、結果として被害者を門前払いにしてしまう構図が生まれています。