近畿大学が採用している「中央値補正方式」とは、受験者の中央順位に位置する受験者の得点を満点の50%(100点満点なら50点)と定義し、そこを基準に全体の得点を再計算する仕組みです。一般的な「標準偏差」を用いた偏差値換算とは異なり、中央値より高いか低いかで傾斜が大きく変化する特徴を持っています。
この方式の恐ろしいところは、問題が簡単で高得点者が続出した場合、中央値自体が70点や80点まで跳ね上がることです。中央値が75点の試験で80点を取ったとしても、補正後はわずか50点台半ばまで圧縮されてしまう事態すら起こり得ます。一方で、英語や国語、数学などの必須科目でも日程によって厳しい補正がかかることがあります。
過去問を解く際は、「合格最低点=目標点」と捉えるのは極めて危険です。過去問の自己採点で合格最低点に達していても、それは調整前の「素点」に過ぎません。近畿大学の過去問で合格点を判断する際は、常に公表最低点に20点上乗せした数値をボーダーと設定し、1問のケアレスミスが得点調整で致命傷になるプレッシャーを想定して演習を重ねる必要があります。