嵐のメンバー内でいち早く個人としての独立に踏み切ったのが二宮和也氏でした。2023年10月24日、旧ジャニーズ事務所の性加害問題に伴う混乱の最中、二宮氏はファンクラブ向け動画および自身の公式X(旧Twitter)を通じて独立を電撃発表しました。その後、個人事務所「オフィスにの」を設立し、実質的なプレイングマネージャーとして自らスケジュール管理やオファーの精査を行う姿が話題となりました。
二宮氏が独立を決断した嵐の退所理由の核心は、「自分の仕事に対する責任とスピード感」にありました。当時の本人の証言によると、「事務所の騒動によって自分の仕事に影響が出る恐怖を感じ、作品や共演者に迷惑をかけたくない」という極めて現実的な危機意識が引き金となっています。俳優としてのオファーが途切れない二宮氏にとって、新体制移行の混乱による機会損失は致命的であり、迅速な意思決定を下すための合理的な独立でした。
続いて2024年5月30日、松本潤氏がSTARTO ENTERTAINMENTからの独立を発表し、個人事務所「MJC INC.」を立ち上げました。松本氏の退所の真相は、演出家・プロデューサーとしてのクリエイティブ領域の拡大と、国内外に向けた新たな表現活動の自由度確保です。NHK大河ドラマ『どうする家康』の主演を完走した松本氏は、長年培った舞台演出や映像制作の手腕を、よりフレキシブルな環境で発揮するフェーズに入っていました。
二人が共通して強調したのは、「個人活動は独立するが、嵐としての活動が生じた場合はSTARTO社および嵐の枠組みで動く」という点です。これは従来の「退所=グループ脱退・芸能界追放」という昭和・平成的な芸能界の不文律を打ち破る、革新的なハイブリッドモデルの確立を意味していました。