事態が急変したのは2020年春のことだ。週刊誌によって、酒井氏と志らくの弟子との間に不適切な関係があることがスクープされた。落語界において「師匠の妻」は「おかみさん」であり、弟子にとっては身内同然かつ絶対的な存在である。そのおかみさんと弟子の関係という前代未聞の不祥事に、メディアや世間は蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。
通常であれば即座に離婚、あるいは弟子の大破門という激震が走る場面だ。だが、当時の志らくが取った行動は世間の予想を裏切るものだった。彼はMCを務めていた生放送番組や自身のSNSで「妻を離婚するつもりはない」「妻の心に病的な部分があった」と語り、妻を徹底的に庇う姿勢を見せたのだ。この対応には「男気がある」という称賛の一方で、「甘すぎるのではないか」という厳しい声も交錯した。