今の吉本新喜劇は若手座長たちが新しい風を吹き込んでいるが、彼らが口を揃えて目標として挙げるのが彼の背中だ。練習風景において、彼は決して威圧的な指導はしない。背中で見せ、時にはボケ役に自由に泳がせることで、若手のポテンシャルを引き出していく。
「ツッコミは、ボケを活かすために自分を殺す作業」。かつて彼が残したその言葉通り、舞台上での彼は徹底して共演者を輝かせる黒子に徹することがある。しかし、結果として誰よりも強い印象を観客に残す。この矛盾した職人技こそが、後輩たちが喉から手が出るほど欲しがる極意だ。