旅行予約サイトで検索しても空室情報はおろか施設情報すらヒットしなくなった浦安ビューフォートホテル。結論を明確に記すと、同館はすでに完全閉館し、建物も解体されています。かつてディズニー遠征の定宿にしていたリピーターの間では「一時休業ではないのか」「改装工事が終われば再開するのではないか」といった淡い期待も囁かれていましたが、営業再開の可能性は完全に消滅しています。
同ホテルが営業終了へと舵を切った最大の引き金は、パンデミックに伴う未曾有の観光需要消失と施設維持コストの乖離でした。東京ディズニーリゾートの入場者数制限や県境をまたぐ移動自粛が長期化した時期、浦安エリアの宿泊施設は壊滅的な稼働率低下に直面しました。大手チェーンホテルであれば資本力による資金調達や雇用調整助成金の活用で持ちこたえる選択肢もありましたが、独立系ホテルにとって長期にわたる固定費負担は致命傷になり得ます。
さらに見逃せないのが、建物の築年数経過に伴うハードウェアの限界です。浦安ビューフォートホテルは平成初期から稼働を続けていた構造物であり、エレベーターや給排水管、空調設備の一新、さらには現行基準に即した耐震改修工事を施すには数億円規模の設備投資が必要な局面を迎えていました。「低価格路線」を武器に薄利多売モデルで利益を上げてきた同館にとって、数億円の投資を回収することは経済合理性に照らして極めて困難だったとみられます。事業承継や運営受託の模索を含めた検討の末、土地・建物の所有関係者と運営会社が下した苦渋の決断が営業終了でした。