ひとつのデジタルコンテンツが、歴史あるリアルな巨大産業の構造を物理的に動かす——そんなドラマが競馬界で起きている。
JRA(日本中央競馬会)の新規ファン層、特に20代から30代の来場者数はこの5年で急増した。週末の競馬場には作品のファンが足を運び、パドックで馬の美しさに目を見張る光景が日常となった。さらに目を見張るのが、引退馬の養老牧場や保護活動への支援だ。ファンが自主的に立ち上げたクラウドファンディングが数千万円単位の資金を一瞬で集める例も珍しくなく、引退馬問題に対する社会的関心を飛躍的に高めた。エンタメが現実の社会問題に解決の光を当てるモデルケースとして、スポーツビジネスの観点からも高い評価を得ている。