ゴンの狂気的な暴走と対比される形で描かれたのが、隣で見守ることしかできなかった親友キルアの痛切な苦悩です。
ゴンが復讐心に囚われていく過程で、キルアに向けた「キルアはいいよね 冷静でいられて 関係ないから」という残酷な一言は、キルアの心を深く抉りました。暗殺一家から抜け出し、ゴンを唯一無二の「光」として信じていたキルアにとって、その光が自ら闇へと身を投げていく様は耐え難い悲劇でした。
覚醒現場に駆けつけたキルアが目にしたのは、異様な姿に変わり果て、ピトーの頭部を無感情に粉砕し続けるゴンの姿でした。「どれだけの代償を払えばこれほどの力を…」と涙を流し、取り返しのつかない破滅を選択した親友を前に立ち尽くすキルアの絶望は、読者の胸を強く締め付けました。