法律や業界の共通ルールにおいて、乳幼児の入場そのものを禁止する規定は設けられていない。極端に言えば生後数ヶ月の赤ちゃんであっても、年齢制限のない作品であれば上映スケジュールに合わせてチケットを購入・入場することはシステム上可能だ。しかし、興行現場の実情を見ると「入場できること」と「最後まで快適に鑑賞できること」の間には大きな隔たりがある。
現場の映画館スタッフや子育て世代の体感として、無理なく作品を楽しめる適齢期は「3歳から4歳頃」とされることが多い。この時期になると、1時間から1時間半程度じっと座って物語を追う集中力が芽生え始める。もちろん個人差は大きく、2歳台で落ち着いて完走できる子もいれば、5歳になっても場内の暗転や重低音に怯えてしまう子も珍しくない。年齢という数値だけに捉われず、日頃のテレビ鑑賞時の集中度合いや暗闇に対する耐性を冷静に見極める姿勢が不可欠となる。