連載開始の瞬間から、別冊少年マガジン(講談社)の誌面に異彩を放っていた不気味な巨人たち。原作者である諫山創が描いた不気味なタッチと不均衡な巨体の造形は、読者の脳裏に強烈なトラウマを植え付けた。歪んだ笑顔を浮かべたまま人間を口に放り込む姿は、従来の少年漫画が守ってきた「美しき英雄譚」の約束事をあっさりと破壊してみせたのだ。
本作が属するダーク・ファンタジーというジャンルにおいて、グロテスクな描写は単なる飾りではない。圧倒的な捕食者を前にした人間の無力さ、命が呆気なく潰える理不尽さを叩きつけるための必然的な表現技法である。骨が砕ける重い音や、破壊される身体の生々しい演出は、死のリアリティを極限まで引き上げるための劇薬として機能している。