一方で、脳ではなく脊髄や末梢神経の障害によって指の運動機能が低下するケースも非常に多い。代表的な疾患が、首の骨の変形やクッション役である椎間板の跳び出しによって神経根が圧迫される頸椎症性神経根症である。首を後ろに反らした際に手先へ電気が走るような痛みや脱力感が走るのが特徴で、長時間のデスクワークやスマートフォン操作が引き金となることも少なくない。
また、手首のトンネル状の構造(手根管)で正中神経が圧迫される手根管症候群も、指の力を奪う主要な原因だ。日本整形外科学会の見解によると、中高年の女性や手首を酷使する職業人に好発し、親指から薬指にかけての痺れや、親指の付け根の筋肉が痩せてつまみ動作ができなくなる症状が現れる。いずれも専門的な画像診断や神経伝達速度検査によって明確に識別が可能だ。