なぜ、このセリフはこれほどまでに私たちの心を掴んで離さないのか。その根底には、人間が誰しも抱く「こだわり」と「無関心」の対比がある。
自分の愛するものに関しては数ミリの差に命をかける一方で、他人の趣味に対しては恐ろしいほど鈍感になりがちだ。秋本麗子の「全部同じじゃないですか」は、決して悪意に満ちた攻撃ではない。純粋で身も蓋もない素直な観察眼なのだ。その率直さが、両津のオーバーなリアクションを引き出し、読む者に爽快な笑いをもたらす。現代社会の過剰な情報発信に対する、最高のカウンターパンチとしても機能している。