かつての「箱詰めのカニを買って帰るだけ」という旅行スタイルは過去のものとなった。現在の直売センターを訪れる人々の目的は、現場でのリアルな食体験だ。購入したばかりの新鮮な生ガキをその場で割り、ライムやレモンを軽く搾って一口で味わう。あるいは、選りすぐりのネタを特設コーナーで海鮮丼に仕立ててもらい、港を眺めながら味わい尽くす。
モノ消費からコト消費へのシフトは鮮やかだ。週末ともなれば朝8時の開店直後から長蛇の列ができる。旅行者にとって、ここでの朝市体験そのものが旅のハイライトとなっているのだ。五感をダイレクトに刺激するライブ感は、どのような通販サイトも模倣できない強力な体験価値を提供している。