ただのカカシですな元ネタの真実|コマンドー名言が愛され続ける理由

ただのカカシですな元ネタの真実|コマンドー名言が愛され続ける理由

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これほど人口に膾炙したフレーズでありながら、ファンの間でも意外と知られていない事実や、ネット上で広まっている誤解がいくつか存在します。

最大の誤解は、前述した「発言者の混同」です。『コマンドー』といえば、チェーンメイル姿で異様な存在感を放つ怪人ベネット(演:ヴァーノン・ウェルズ、声:石田太郎)の印象が強烈すぎるあまり、「ただのカカシですな」もベネットのセリフであると誤って記憶している人が後を絶ちません。しかし、ベネットの名言は「野郎、ぶっ殺してやる!」「地獄へ落ちろ、ベネット」などの終盤の激闘に集中しており、序盤の偵察シーンには登場していません。

また、もう一つの盲点として、「吹き替えバージョンによるセリフの違い」が挙げられます。『コマンドー』には、有名なテレビ朝日版のほかに、TBS版(屋良有作版)や製作25周年記念の吹替の帝王版(テレビ朝日版の追加収録)、さらには吹替の力版など複数のバージョンが存在します。

TBS版など他の吹き替えでは、このシーンは「あんな連中、物の数じゃありませんよ」といった比較的おとなしい訳文になっており、「ただのカカシですな」というキラーワードが聴けるのは平田勝茂翻訳×テレビ朝日版の系譜のみです。名言の誕生には、特定の翻訳陣と放映枠の巡り合わせという「奇跡的な偶然」が作用していたのです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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