米ノ山展望台を検索すると、関連語句として「心霊」「事故」といった不穏なキーワードが散見されます。このオカルトめいた噂の真偽について、地域の風土と歴史的背景から検証してみましょう。
篠栗町は言わずと知れた霊峰であり、「篠栗四国八十八箇所」の霊場が山中に点在する日本屈指の巡礼地です。米ノ山へ至る若杉山の山中にも数多くの石碑、祠、お地蔵様が鎮座しています。街灯が一切ない深夜の林道、覆いかぶさるような鬱蒼とした木々、不意に現れる石仏、そして山風が木々を揺らす不気味な音色波が重なることで、ドライバーの恐怖心が増幅され、ネット上のオカルト掲示板などで「心霊スポット」としての俗説が一人歩きしたのが真相です。実際には凶悪な事件事故が多発している現場ではなく、「宗教的聖地としての厳かな空気」と「漆黒の視覚的恐怖」が結びついた心理的錯覚といえます。
一方で、現実の法的・環境的なトラブルとして深刻化しているのがキャンプ禁止の問題です。山頂広場の抜群の眺望に目をつけ、かつてテントを設営して焚き火やバーベキューを行う利用者が増加しました。しかし、米ノ山山頂は「パラグライダー離陸場」という特殊な航空スポーツ基地であり、芝生保護や火災防止の観点から、山頂でのキャンプ・宿泊・直火使用・焚き火行為は条例や管理規定により厳しく禁止されています。炭の燃えカスや散乱したゴミがパラグライダーのテイクオフに重大な支障をきたすため、地元関係者による巡回と啓発が行われています。キャンプを楽しみたい場合は、必ず中腹に整備されている公認の若杉楽園キャンプ場を利用し、山頂は純粋な展望鑑賞にとどめるのが鉄則です。