運動神経の発達やバランス感覚の向上を謳う広告が多い中、医療現場の見解は極めて慎重です。米国小児科学会(AAP)は長年にわたり声明を更新し続けており、「6歳未満の幼児には家庭用・施設用を問わずトランポリンを使用させるべきではない」と強く警告しています。日本国内の小児救急現場でも、消費者庁や日本小児科学会への傷害速報として、幼児の重篤な受傷例が定期的に報告されています。
特に危険視されているのが、脳や中枢神経系への影響です。2歳児は体重に対して頭部が重く(頭部重量比率が成人の約2倍)、頸部の筋力も十分に完成していません。予測不能な反発によって頭部が激しく揺さぶられると、頸椎の過伸展や脳震盪、さらには微細な脳損傷を引き起こすリスクが存在します。
「親が付き添っていれば大丈夫」と考えがちですが、AAPの調査データによると、事故の約75%は複数人での跳躍や大人の監視下であっても発生しており、大人が横で見守るだけでは物理的な衝撃を防ぎきれない現実が浮き彫りになっています。