日本小児神経学会や日本てんかん学会といった専門学会では、点頭てんかんの早期診断と早期治療の介入が臨床における最重要課題として長年議論されてきた。しかし現場には、今なお高い「診断の壁」が存在する。
発症初期の発作はきわめて軽微であり、1日に1〜2回、ほんの数秒首をかしげる程度にとどまるケースが少なくない。そのため、小児科の一次スクリーニングや乳幼児健診の場であっても、「モロー反射の残り」や「腹痛による体を丸める動作」「単なる首の癖」と誤認され、見過ごされてしまう事例が後を絶たないのだ。
日本小児神経学会の専門医らは、脳波検査(ヒプスアリスミアと呼ばれる特徴的な高振幅無秩序脳波パターン)の迅速な実施を推奨している。脳の過剰な電気的興奮が継続すると、脳の発達そのものが著しく阻害されてしまうためだ。発症から治療開始までの期間が短ければ短いほど、認知機能や運動機能の予後が改善する可能性が高まる。学会では、一般の小児科医に対する啓発活動と同時に、保護者からのSOSを迅速に専門医へ繋ぐ医療連携体制の強化を推し進めている。