ボカロ曲と聞くと「人間離れした超高音」や「息もつかせぬマシンガントークのような早口」を連想する読者も多いはずです。しかし、カラオケで高得点が出やすい曲や、一般ユーザーが気持ちよく歌い切れる楽曲を分析すると、明確な構造的共通点が浮かび上がります。
第1の条件は、音域が狭く無理な跳躍がないことです。一般的な成人男性の声域は「mid1A(低音ラ)〜mid2G(高音ソ)」、女性は「mid1F(低音ファ)〜hiD(高音レ)」程度と言われています。初心者が無理なく歌えるボカロ曲は、この範囲内に収まる約1オクターブ半前後の音域で構成されており、サビで急激に2オクターブ近く跳ね上がるような無理な音程移動がありません。
第2の条件は、テンポ(BPM)が落ち着いておりリズムが一定であることです。BPMが120〜140程度のミドルテンポ、あるいはボカロならではの叙情的なテンポの遅いバラードは、発声時のブレス(息継ぎ)ポイントが確保しやすく、音程バーを正確になぞる余裕が生まれます。
第3の条件は、JOYSOUNDやDAMの採点バーにおいてガイドメロディと歌詞の母音がきれいに一致していることです。音符一つひとつに言葉が乗る王道のポップス構成を持つ楽曲は、採点エンジンのピッチ検出が安定し、表現力や安定性のパラメータで高い評価を獲得しやすくなります。