彼の演技を語る上で外せないのが、名門・劇団文学座での修行時代だ。数多の劇作家や演出家から徹底的に叩き込まれた基礎体力と発声、そしてテキストを深く読み込む洞察力。この舞台で培った圧倒的な地頭の良さと体躯のタフさが、あらゆる映像作品における安定感の基盤になっている。
舞台の上に立つ役者は、全身の毛穴から発するオーラで客席を支配しなければならない。カメラがズーム寄りで表情だけを捉えるテレビドラマであっても、彼の身体全体から滲み出る緊張感やユーモアは、まさに舞台空間で鍛え上げられた者だけが持つ特有の重厚感によるものだ。