名前がこれほど似ている最大の原因は、19世紀のヨーロッパ地理学・言語学における命名の歴史にあります。インドネシアという名称は、ギリシャ語でインドを指す「Indo」と、島々を意味する「nesos」を組み合わせた近代の造語です。
大航海時代以降、ヨーロッパ諸国は香辛料を求めてアジアへ進出しました。当時の西洋人にとって、アジアの広大な地域一帯は漠然と「インディーズ(東インド)」と呼ばれていました。イギリス東インド会社やオランダ東インド会社といった歴史の教科書に登場する組織名からも分かるとおり、当時はインドから東南アジア島嶼部までがひと括りに捉えられていた背景があります。
その後、オランダ領東インドと呼ばれていた島々が独立を果たす過程で、「インド洋に浮かぶ島々」という意味合いを持つ「インドネシア」が正式な国名として採用されました。つまり、「インドネシア」という名前自体が「インドの島々」を語源としているため名前が似ているのであって、国家としての成り立ちや民族的ルーツがインドと同一というわけではありません。