河合奈保子さんのディスコグラフィには、『けんかをやめて』以外にも昭和歌謡史に輝く名曲が数多く存在します。ファンの間で特に支持が厚い代表曲の系譜を振り返ります。
デビュー初期を象徴する『スマイル・フォー・ミー』(1981年)は、持ち前の明るい笑顔と伸びやかな歌声が弾ける王道アイドルポップスであり、彼女をトップスターへと押し上げました。続いて『けんかをやめて』でしっとりとした情緒を確立した後は、筒美京平氏が作曲を手掛けた『エスカレーション』(1983年)で情熱的かつダイナミックなビートに挑戦。自己最高となる売上を記録します。
さらにその後は、自ら全曲の作曲を手掛けたアルバム『ハーフムーン・セレナーデ』(1986年)を発表するなど、シンガーソングライターとしての才能も開花させました。キュートなアイドルから本格派アーティストへ――その進化の過程で、もっともドラマティックな架け橋となったのが『けんかをやめて』でした。