ウルフルズが経験した別れと再編の歴史を振り返ると、脱退の伏線は2000年代後半にまで遡ります。バンドは2009年に一度無期限の活動休止に入りました。この休止期間中、トータス松本はソロ活動で自身のボーカリストとしての表現を拡張し、ウルフルケイスケは自身の原点であるブルースや弾き語りを主軸としたプロジェクト「マジカルチェイン」を立ち上げています。
2014年にウルフルズは劇的な復活を遂げ、ファンを熱狂させました。しかし、復活後のバンドはフェスへの出演やアリーナクラスのツアーなど、再び商業音楽シーンの巨大なサイクルに組み込まれていきます。この環境下で、ウルフルケイスケが抱いた違和感は次第に大きくなっていきました。
そして2018年2月、ウルフルケイスケはウルフルズとしての活動を一時休止することを表明します。この時点では「脱退」ではなく「個人の活動に専念するための休止」と説明されていましたが、2年間の熟考期間を経た2020年2月、正式にバンドからの脱退が発表されました。公式サイトに寄せられたコメントでケイスケは「自分のペースで、もっと自由に音楽と向き合いたい」という旨を述べており、バンドの規模感と個人の理想とする活動スタイルがもはや一致しないことが決定打となったことを示唆しています。