赤レンガ倉庫群の潮風が届く場所にある「函館ベイエリア本店」。森の中に迷い込んだかのようなブランコ席が並ぶ奇抜な内装は、テーマパークそのものだ。チェーン展開する多くの外食産業が店舗の効率化と均一化を競い合うなか、有限会社ラッキーピエログループは180度逆を行く。全店で内装テーマが異なり、メリーゴーランドがある店舗からアール・デコ調の空間まで、訪れるたびに異なる体験が待っている。
創業者である王一郎氏が掲げたのは、「地産地消」と「出来立てへの徹底的なこだわり」だった。冷凍肉を使わず、オーダーが入ってから肉を揚げ、バンズを焼く。セントラルキッチンを持たず、店舗ごとの手作りにこだわるスタイルは、効率最優先のファストフード業界に対する鮮烈なアンチテーゼとして、今なお輝きを放ち続けている。