「なぜ、これほど危険視されながら解体されないのか?」という疑問に対し、最大の障壁となっているのが解体費用の真相と私有財産の壁です。
巨大観音像の解体には、一般的なビル解体とは比較にならない技術的難度とコストが伴います。足場の仮設費用、高所での特殊重機作業、風圧対策、さらにはコンクリートガラや内部鉄骨の搬出・処分費用まで含めると、その総額は天文学的な数字になります。
淡路島の世界平和大観音が約11億円をかけて国費(財務省)で解体された事例と比較すると、加賀大観音は所有権者が複数存在し、差押え登記や抵当権が複雑に設定されている点が決定的に異なります。法的に「所有者不在の国庫帰属資産」として処理することが極めて困難なのです。
また、年間予算が限られる地方自治体の石川県加賀市が、一民間の遺構に数十億円規模の税金を投入して行政代執行を行うことは、市民の理解を得る観点からも現実的ではありません。結果として、誰も手を出せないまま時間だけが経過しているのが解体費用の真相です。