上白石萌歌の名を一躍全国区に押し上げた代表作といえば、TBS系の大ヒット作『義母と娘のブルース』を外すことはできない。主人公の義理の娘・みゆきの高校生から社会人への成長期を情感豊かに体現し、視聴者の心を揺さぶった。複雑な家庭環境の中で真っ直ぐに愛を受け止める少女の葛藤は、彼女の繊細な表情芝居によって極めて説得力のあるものとなった。
その後も連続テレビ小説 ちむどんどんでは、歌を愛しつつも病弱な四兄弟の三女・歌子役を好演。繊細さと芯の強さを併せ持つキャラクター像を作り上げ、朝の茶の間に確かな余韻を残した。さらに細田守監督のアニメーション映画『未来のミライ』では主人公の男の子・くんちゃんの声を担当。ヒューマンドラマから声優の領域に至るまで、役柄の年齢や性別の壁すら越えて世界観に溶け込む柔軟性は、彼女の真骨頂である。