芸能界を引退した約1年間、吉川愛は完全に一般の女子高生としての日常を謳歌していました。その期間中に彼女が経験したのが、ベーカリー(パン屋)でのアルバイトです。
レジ打ちや接客、品出しといった業務に従事し、同世代の仲間と放課後を過ごす日々は、幼い頃から大人の世界で生きてきた彼女にとって極めて新鮮で貴重な経験となりました。この「普通の日々」を実感できたことが、彼女の中にあった精神的な緊張を解きほぐし、人間としての視野を大きく広げる契機となります。
転機が訪れたのは2017年春のことです。大手芸能事務所・研音のスタッフが、街を歩いていた彼女の圧倒的な存在感に目を留め、スカウトの声をかけました。当時、スカウト担当者は彼女がかつて名を馳せた名子役「吉田里琴」であることを知らず、純粋に一人の魅力的な少女として発掘したという逸話が残されています。
一度は芸能界と完全に距離を置いた吉川愛でしたが、事務所側の熱心なアプローチと、心の奥底に残っていた「演じることへの情熱」が再び呼応し、2017年4月に「吉川愛」の芸名で電撃復帰を果たすこととなりました。