ゲーム内で鮮烈な印象を与えるこの足技ですが、サマーソルトキック 元ネタはどこにあるのでしょうか。開発資料や格闘技史を紐解くと、複数の身体文化が融合して生まれた経緯が見えてきます。
プロレス界における源流を辿ると、1980年代に一世を風靡した初代タイガーマスク(佐山聡)をはじめとするジュニアヘビー級のレスラーたちが披露した空中殺法に行き当たります。リングのコーナーポストに相手を追い込み、胸板を蹴り台にして後方宙返りしながら顔面を蹴り抜くムーヴは、当時「サマーソルト・キック」あるいは「コーナー反転キック」と呼ばれ、観客を熱狂させました。また、倒れた相手に向けて後方宙返りから体重を浴びせるサマーソルトドロップも、華麗な飛び技の代表格として定着していきました。
一方、伝統的な格闘技 サマーソルトキックの文脈では、ブラジルの格闘舞術「カポエイラ」の技である「アウー・バチード(片手をついての側宙蹴り)」や、中国武術のアクロバット動作が深く関係しています。ゲームクリエイター陣は、プロレスの魅せ技とカポエイラの躍動的な軌道をインスピレーション源とし、ガイルという軍人キャラクターに「立った状態からその場で後方宙返りして蹴る」という漫画的かつダイナミックな必殺技として落とし込んだのです。