大ブレイクに至る前史もまた、極めて個性的だ。10代前半から人気ファッション誌のモデルとして注目を集め、1966年に「こまっちゃうナ」で歌手デビューを果たすと、瞬く間に国民的な人気を獲得した。舌足らずで甘い歌声は社会現象となったが、その成功体験こそが後に彼女を縛る足かせともなった。
転機を模索していた1970年代初頭、特撮ドラマの金字塔『仮面ライダー』にレーシングクラブのメンバーとして出演。お茶の間に親しまれる一方で、本人は表現者としての次なるステップを貪欲に見据えていた。守られたアイドルの座を自ら捨て去り、レッスンを重ねて勝ち取った再起のドラマ。そのストイックな姿勢こそが、後の大輪の花を咲かせる土台となったのである。