推理アドベンチャーの歴史において、主人公が相手の推理ミスや偽証を指摘するフレーズは数多く存在します。その中でも苗木誠の「それは違うよ!」が突出した知名度を獲得した最大の要因は、「プレイヤーの確信」と「主人公の叫び」が完全にシンクロするゲーム体験にあります。
理不尽なコロシアイ学園生活と極限状態の学級裁判において、苗木誠は決して全知全能の探偵ではありません。仲間を疑いたくない葛藤を抱えながらも、真実を暴かなければ全員が処刑されるという極限のプレッシャーの中、導き出した真実を絞り出すようにぶつける――この泥臭い人間味こそが、プレイヤーの心を強く揺さぶりました。
シナリオを手掛けた小高和剛氏をはじめとする開発陣が目指した「従来の静的なテキストアドベンチャーを壊す、アクション性の高い議論」というコンセプトが見事に結実した瞬間であり、ただのセリフを超えた爽快感のスイッチとして定着しました。