こうした歴史的背景を経て、近年劇的な変容を見せているのが宮内庁による情報発信のアプローチだ。公式Instagram運用開始以降、従来の神秘性を保持する手法から、国民とのダイレクトな接点を構築する広報戦略へと明確な転換が行われた。SNSを通じた情報発信は、虚偽情報や過度なバッシングに対抗するための攻めの広報として機能している。
神秘のベールに包まれていた過半の皇室情報が自ら開示されることで、かつての「触れてはならない」という閉鎖的な空気感は急速に薄れつつある。情報流出のコントロールを権力の保持に用いていた時代から、透明性の確保こそが皇室の尊厳を守るという新たなロジックへの移行である。これは報道機関が握っていた情報の独占権が解体され、一般国民が直接皇室の情報に触れる時代の幕開けを意味している。