穏やかに見える清流であっても、川は牙をむく。国土交通省河川局が公表している水難事故統計を見ても、河川での事故原因の多くは「急な深みへの進入」や「見た目以上の流速」に起因している。天神峡も例外ではない。水面は鏡のように静止して見えても、底層部には強い引き込み流が発生しているポイントが存在する。
特に小学生以下の子どもには、浮力体の入ったライフジャケットの着用を徹底させたい。浮き輪は岩肌で破断する恐れがあるうえ、急流に流された際に手から離れる危険が高い。また、上流の山間部で局地的な豪雨(ゲリラ豪雨)が発生した場合、現地が晴れていても十数分で高屋川の水位が急上昇し、濁流へと変化する。空の雲行きや川の濁り、流れてくる枯葉の急増など、自然が出す危険信号に五感を研ぎ澄ませておくことが命を守る鉄則となる。