ネット上の情報では「冷酷な父親に捨てられた悲劇の少女」という側面ばかりが強調されがちですが、事態をより悪化させた背景には実母エレイン・ンとの壮絶な家庭内トラブルが存在します。
エッタの思春期は平穏とは程遠いものでした。エレインはシングルマザーとして娘を一流のインターナショナルスクールに通わせるなど教育に情熱を注いだものの、次第に重度のアルコール依存と精神的不安に苛まれるようになります。香港の警察記録によると、2015年と2017年にはエッタ自身が「母親から虐待を受けている」「酒に酔った母に暴力を振るわれた」と警察に通報し、エレインが児童虐待容疑で一時拘束される事態にまで発展しました。
エレイン側は過干渉となり、エッタの私生活や交友関係を徹底的に管理しようとした結果、母娘の精神的な結びつきは破綻。エッタにとって、10代後半でのカミングアウトと同性婚、そしてカナダへの脱出は、冷徹な父親から逃れるためという以上に、機能不全家族となった母の支配から逃走するための唯一の自衛手段だったという側面があります。