長年にわたり「コーヒーは水分補給の代わりにならない」と信じられてきた背景には、カフェインが持つ利尿作用ばかりが強調されてきた歴史があります。しかし、コーヒーの水分補給に関する最新研究では、従来の定説を覆すデータが相次いで報告されています。
代表的な調査として知られる英国バーミンガム大学の研究では、日常的にコーヒーを愛飲する成人男性を対象に、同量の水のみを摂取した期間とコーヒーを摂取した期間の体内水分量を比較検証しました。体重測定、尿量、血液中の浸透圧など複数の指標を精密に追跡した結果、両者の間に有意な差は認められませんでした。つまり、適量のブラックコーヒーがもたらす水分補給効果は、純粋な水とほぼ変わらないことが明らかになっています。
コーヒーの約99%は水分で構成されています。摂取した水分量に対して、カフェインによって失われる水分量はごくわずかであり、トータルの収支で見れば確実に体内に水分が蓄積されます。「飲んだら飲んだ分だけ出ていく」という認識は、科学的には明確な誤解です。