このたった7日間という奇跡的な時間枠は、フィクションの世界にも大きなインスピレーションを与えた。作家・横山秀夫氏による警察小説の金字塔『64(ロクヨン)』は、昭和64年というわずか1週間に発生した未解決の少女誘拐殺人事件を軸に物語が展開する。
昭和から平成へと時代が激動する裏で、昭和という時代そのものに取り残されてしまった事件——作中で描かれる「昭和64年」の重苦しくも熱を帯びた空気感は、報道の自粛ムードや警察組織の焦燥感と重なり、読者に強烈なリアリティを与えた。映画化やドラマ化を経てもなお語り継がれるこの作品によって、「昭和64年=7日間だけの特別な時間」という認識は多くの人の記憶に深く刻まれた。