大本と芸術・芸能の世界を語る上で、指導者・出口王仁三郎(1871〜1948)の存在を抜きにすることは不可能だ。彼は宗教家であると同時に、自ら数千点の陶芸作品(耀盌)を焼き上げ、書道、短歌、劇作、能楽にまで手を伸ばした驚異的な表現者だった。
「芸術は宗教の母なり」というスローガンのもと、王仁三郎の周りには当時の日本を代表する文化人や芸能の担い手たちが吸い寄せられるように集まった。歌人や画家、さらには草創期の映画関係者や舞台俳優まで、彼の圧倒的なクリエイティビティに魅了された者は少なくない。この「表現者を惹きつける強力な磁場」こそが、後世に「大本=芸能界や芸術界とつながりがある」というイメージを決定づけた原点である。