華やかな芸能界や目まぐるしく変化する音楽業界の日常とは対照的に、新沼家が大切にしてきたのは「ごく普通の家庭としての温もり」だった。新沼自身も岩手県大船渡市出身の素朴な人柄で知られるが、子どもたちに対しても特別扱いをすることなく、礼儀正しさと謙虚さを重んじる教育方針を貫いた。
娘が一般社会で生きる道を選んだ際も、父は何ひとつ口を挟むことなく、その自立を温かく後押しした。過熱するメディアの取材攻勢から娘のプライバシーを徹底して守り抜いた新沼の配慮があったからこそ、彼女は自身の力で確かなキャリアと人間関係を築き上げることができたのである。