終戦直後の混乱期、日本の食生活を根底から支えるべく立ち上がった人物がいる。創設者である井上好倉だ。欧米の製パン科学をいち早く日本へと持ち込み、感覚に頼りがちだった日本のパン作りを学問へと昇華させた功績は計り知れない。彼の「科学的なアプローチこそが良質なパンを全国の食卓へ届ける」という強い信念が、全ての始まりだった。
やがて業界全体の強い後押しを受け、日本パン工業会の全面的な協力のもとで組織化が進行。現在では一般社団法人日本パン技術研究所として、中立的かつ高度な研究・教育機関の役割を果たしている。半世紀以上の時を経た今も、井上好倉が打ち立てた情熱の理念は息づいており、日々新しい技術研究の礎となっている。