ここでメディア編集部として強く警鐘を鳴らしたいのは、「指の長さ=男性脳・女性脳の完全な証明」という短絡的な決めつけです。ネット上では「薬指が長いから冷酷な男性脳」「人差し指が長いから感情的な女性脳」といった極論が一人歩きしていますが、現代の神経科学においてこうした二元論はすでに否定されつつあります。
テルアビブ大学のダフナ・ジョエル(Daphna Joel)教授らによる脳画像解析研究が示すように、人間の脳は単純に「男性脳」「女性脳」と切り分けられるものではなく、男性的な特徴と女性的な特徴が複雑に入り混じった「モザイク脳」であることが明らかになっています。指比は胎児期のホルモン環境を反映する一つの指標に過ぎず、後天的な学習、家庭環境、社会的な経験によって脳のシナプス結合や性格は生涯にわたって柔軟に変化し続けます。
また、人間には「当たっている部分だけに目を向け、外れている部分を無意識に無視してしまう」という確証バイアスや、誰にでも当てはまる一般的な性格描写を自分だけの真実だと思い込むバーナム効果(フォア効果)が常に働きます。「薬指が長いから決断力がある」と言われれば、過去の成功体験ばかりを想起し、優柔不断だった記憶を脳が都合よく排除してしまうのです。