決勝戦終了後のセレモニーで巻き起こった熱狂と論争は、今なおファンの記憶に鮮明に残っています。カタール首長からメッシの肩へと羽織られたアラブ伝統の黒い外套「ビシュト(Bisht)」。これに対し、ワールドカップ優勝トロフィー授与式ネットの反応は瞬く間に二分しました。
X(旧Twitter)や海外掲示板のリアクションを分析すると、「アルビセレステ(水色と白)の象徴的なユニフォームが隠れてしまった」「開催国のエゴではないか」という批判的な投稿が英語圏を中心に散見されました。しかし一方で、中東文化におけるビシュトは「王族や高貴な勇者にのみ贈られる最高級の賛辞」であることを理解するファンや文化研究者からは、「開催国がメッシへ捧げた究極のリスペクトである」と擁護する声が多数上がりました。
現地取材班が目撃したブエノスアイレスの歓喜は、そうしたネット上の論争すら一瞬で吹き飛ばす凄まじい熱量でした。オベリスコ周辺には推計500万人以上の市民が押し寄せ、経済的苦境に喘ぐ市民たちが国旗を振り、涙を流しながら抱き合う姿は、フットボールが単なるスポーツを超えた「国民統合の最後の砦」であることを痛烈に物語っていました。