マジパンとは何の塊?まずいと噂される真相と原料の正体を徹底解剖

マジパンとは何の塊?まずいと噂される真相と原料の正体を徹底解剖

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クリスマスケーキのマジパン飾りとして親しまれているこのお菓子は、結論から言えば皮をむいたアーモンドと砂糖(粉糖やシロップ)をローラーですり潰し、練り合わせたペースト状の洋菓子です。日本ではケーキのデコレーションに使われる人形のイメージが先行していますが、ヨーロッパではショコラトリーやパティスリーに独立した「マジパン菓子」が並ぶほど、確固たる地位を築いています。

マジパンの味の根幹をなすのは、アーモンドが本来持っている芳醇な油脂分(ナッツオイル)と濃厚なナッツ香、そして砂糖のストレートな甘みです。上質なマジパンを口に含むと、ザラつきのないなめらかな舌触りとともに、杏仁やアマレットにも似た上品な香気とミルキーなコクが口いっぱいに広がります。「砂糖の塊を食べているようだ」と感じる人が多い背景には、配合比率や製造目的に決定的な違いが存在します。

「そもそもパンではないのに、なぜマジパンと呼ぶのか」という疑問について、マジパンの発祥と歴史の真相を紐解くと、地中海貿易が栄えた中世にまで遡ります。有力な語源説の一つは、イタリア語の「マルツァパーネ(marzapane=聖マルコのパン)」です。ヴェネツィアの守護聖人である聖マルコの祝日に配られた小箱入りの菓子、あるいは当時の度量衡の基準箱(mataban)に由来すると伝えられています。発祥地については中東ペルシャ地方で生まれ、十字軍の遠征やアラブ商人を通じてスペインのトレドやドイツのリューベックへと伝播したというのが定説です。中世ヨーロッパにおいてアーモンドと砂糖は極めて貴重な高級品であり、貴族の宴席を飾る特権階級の贅沢品として発展を遂げました。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。