日本の視力検査で一般的に用いられる「ランドルト環」は、フランスの眼科医エドモン・ランドルトによって考案された国際標準指標です。この記号には精密な幾何学的ルールが適用されており、「環全体の直径:円弧の太さ:切れ目の幅=5:1:1」という比率で設計されています。5メートルの検査距離において、幅1.5ミリメートルの切れ目を正確に識別できた状態が「視力1.0」と定義されます。
運転免許の普通免許更新における基準は「両眼で0.7以上、かつ片眼でそれぞれ0.3以上」です。この「0.7の壁」に直面した際、見えにくい指標を判別するための合否を分ける見分け方のコツが存在します。
多くの受検者は、白い背景の中から「黒い線の途切れている空間(切れ目)」を直接探そうと目を凝らします。しかし、視力が限界に達している状態では、環全体が黒い塊やドーナツ状の影のように見えてしまいます。ここで意識すべきは、切れ目を探すのではなく、「円のどの部分が最も薄いか、あるいは欠けて見えるか」を全体像のシルエットとして把握することです。
光のコントラスト知覚を利用し、円全体をぼんやり捉えたときに「なんとなく右側が平らに削れている」「上部だけ色が薄くグレーに見える」と感じた場合、その違和感がある方向に切れ目が存在している確率が極めて高くなります。また、ランドルト環の切れ目は基本的に「上・下・左・右」の4方向、あるいは斜めを加えた8方向しかありません。どうしても判別がつかない場合でも、直感を信じて曖昧な影の方向に回答することが合格率を引き上げる現場の知恵です。