マナーが大切である一方、40度近い猛暑の中で無理を重ね、式中に倒れて救急搬送される事態になっては、遺族にさらなる心労をかけることになります。現場の葬儀会館や参列者の生の声からは、過酷な現場を乗り切るための現実的な知恵が浮かび上がってきます。
大手葬儀社で20年以上のキャリアを持つベテランディレクターは、近年の現場状況を次のように語ります。
「ここ数年の夏は、屋外でのご出棺待ちや火葬場への移動時に体調を崩される高齢参列者が急増しています。式場内は冷房が効いていますが、読経中の換気や出入り口の開放によって室温が乱高下します。私たちはご遺族の許可を得た上で、読経前後の移動時は『どうぞ上着をお脱ぎください』と積極的にアナウンスを入れるようにしています」
SNSやネット上のコミュニティでも、知恵袋等に「夏の葬儀で汗が止まらず、ワイシャツが張り付いて恥ずかしい思いをした」「ハンカチが1枚では足りずビショビショになった」という切実な失敗談が溢れています。こうしたトラブルを防ぐためには、機能性インナーの賢い活用と小物の準備が決定的な差を生みます。
ワイシャツの下には、吸汗速乾と消臭機能を備えた接触冷感インナーを必ず着用しましょう。その際、襟元からインナーが覗かない深めのVネックを選ぶこと、白シャツの下でも透けにくいシームレスのベージュやライトグレーを選ぶことが鉄則です。また、汗拭き用のハンカチは黒または白の無地を2枚以上用意し、1枚はポケットに、もう1枚はバッグに忍ばせておくのが大人の危機管理と言えます。