「中間テストも期末テストも80点台だったのに、通知表は『3』のままだった。納得がいかない」という叫びは、全国の進学塾や教育相談で頻繁に聞かれるトラブルの代表格です。かつての昭和・平成初期に行われていた「相対評価(全体の7%が5、24%が4など、集団内の順位で評定を割り振る方式)」の時代であれば、平均点+15〜20点を取っていれば確実に「4」がつきました。しかし、現行の「絶対評価」と「3つの観点別評価」の運用が徹底された現在、テストの点数だけでは高評価を得られない構造になっています。
中学校現場で用いられている中学の内申点における観点別評価は、文部科学省の学習指導要領に基づき、以下の3項目に整理されています。
- 「知識・技能」:定期テストの基本問題、小テスト、実技教科における実技試験の完成度など。
- 「思考・判断・表現」:定期テストの応用・論述問題、レポートの考察力、グループワークでの提案など。
- 「主体的に学習に取り組む態度」:日々の提出物の期限と完成度、授業中の振り返りシートの記述の深さ、自発的な探究活動など。
通知表の各教科では、この3観点がそれぞれ「A・B・C」の3段階(学校によってはA〇、A、B、C)で判定され、その組み合わせによって最終的な「1〜5」の評定が導き出されます。文部科学省の指導方針により、評定「5」を獲得するには原則として「全観点がA(AAA)」でなければならず、「4」であっても「AAB」などの高水準が求められます。
テストで80点を叩き出しても「3」にとどまる生徒の典型的な原因は、第3の観点である「主体的に学習に取り組む態度」が「B」や「C」に沈んでいる点にあります。提出物のワークを期日までに出さなかったり、単に模範解答を丸写しして提出したり、毎時間の振り返りカードに「楽しかった」「難しかった」と数行しか書いていない場合、担当教員はこの観点に容赦なく「B」や「C」をつけます。その結果、テストの得点が高くても「ABB」となり、機械的に「3」という評定が確定してしまうのです。