時代の変化に合わせて、ターゲット層の拡大戦略にも大きな差異が見られます。ウルトラマンVS仮面ライダー歴代作品の変遷を振り返ると、昭和・平成・令和と続く過程で、両者が異なるアプローチでファン層を開拓してきた歴史が浮き彫りになります。
ウルトラマンシリーズは、昭和の第1期・第2期から一貫して「ファミリー層への3世代リーチ」を重視してきました。『ウルトラマンティガ』をはじめとする平成3部作を経て、現在の「ニュージェネレーションウルトラマン」シリーズ(『ギンガ』から『アーク』、そして最新作へ)に至るまで、未就学児が直感的に理解できる善悪の構図やダイナミックなアクションを崩していません。同時に、親世代がかつて熱中した歴代ヒーローの要素を継承することで、親子で無理なく視聴できる間口の広さを維持しています。
これに対し、仮面ライダーシリーズは『仮面ライダークウガ』から始まる平成ライダー以降、ドラマ性の複雑化とハイターゲット層の開拓を積極的に推し進めました。警察組織とのリアルな攻防、ライダー同士の殺伐とした対立、複雑に入り組む群像劇は、従来の特撮の枠を越えてティーンや成人層を魅了しました。ウルトラマン仮面ライダー対象年齢現在のポジショニングにおいて、ライダーはテレビ本編で子ども心を掴みつつ、『仮面ライダーBLACK SUN』や『シン・仮面ライダー』といった大人向け配信・映画作品を明確に切り分ける「多面展開型のハイブリッド戦略」を加速させています。