「祖母の家ではネットに入れて台所に吊るしていたから大丈夫」という認識のまま、常温に長期間放置するのは極めて危険な選択です。にんにくは収穫直後、一定期間休眠状態にありますが、光、温度、湿度という3つの環境要因が重なると急速に休眠打破を起こします。これこそが、にんにく芽が出る理由の根本的なメカニズムです。
発芽に最適な温度は15℃〜20℃前後とされており、空調が効いた快適な室温は、にんにくにとって「春が来て芽を出すべき絶好の合図」となってしまいます。芽に養分と水分を奪われたにんにくの鱗片(りんぺん)は、数週間で軽石のようにパサつき、独特の強い風味も失われていきます。
特に日本の春先から初秋にかけては、室温が25℃を超え湿度が70%以上に達することも珍しくありません。この過酷な条件下におけるにんにく常温保存の注意点として、カビ菌の繁殖と内部の軟腐化が挙げられます。風通しの悪い場所での常温放置は、腐敗のスピードを劇的に加速させるため、春夏の常温保存は基本的に避けるべきだと判断できます。