地方都市に位置する公立校が直面する最大の壁は「難関大進学実績の維持」です。しかし、島原高校の進路指導室が公表している近年のデータを見ると、目を見張る粘り強さを発揮しています。卒業生の進路先として、長崎大学、熊本大学、九州大学、広島大学といった九州・西日本を代表する国公立大学へ例年数十名規模で合格者を送り出しています。
躍進の原動力となっているのが、文部科学省から指定を受けているスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の存在です。特に理数科では、地域資源である火山活動や有明海の干潟、半島の農業生態系などをフィールドワークの対象とし、大学教授や研究機関と連携したハイレベルな課題研究を実施しています。
この探究型学習の蓄積は、近年の大学入試改革で比重を増している学校推薦型選抜や総合型選抜において強力な武器となっています。小論文指導やプレゼンテーション審査において、全国レベルのコンテストで入賞経験を持つ生徒が堂々と論陣を張り、難関大学の推薦枠を勝ち取る構図が定着しました。
私立大学への進路を見ても、西南学院大学や福岡大学といった九州の有力校はもちろん、関西圏の関関同立や首都圏のMARCHへ挑戦する生徒がコンスタントに存在します。予備校への物理的アクセスが限られる地方環境において、校内の進路指導体制と放課後学習システムが極めて高い費用対効果を生み出している点は見逃せません。