布施博の役者としての礎は、佐藤B作率いる名門「劇団東京ヴォードヴィルショー」で培われた。舞台で鍛え上げられた間合いの巧みさと泥臭い人間味は、やがて映像の世界でも異彩を放ち始める。
1988年、フジテレビジョンが世に送り出した『君の瞳をタイホする!』への出演を皮切りに、いわゆるトレンディドラマのブームが爆発。続く『君が嘘をついた』など、都会的で洗練された恋愛模様を描く作品において、布施博は作品のリアリティを支える欠かせないピースとなった。三枚目の愛嬌と大人の色気を絶妙に同居させたキャラクターは、当時の若者たちの憧れの的だった。
さらに1992年、社会現象となったTBSテレビの金曜ドラマ『ずっとあなたが好きだった』では、佐野史郎演じる強烈なキャラクター「冬彦さん」に対峙する主人公の元恋人役を熱演。日本のテレビドラマ史に刻まれる数々の名シーンで、彼は常に時代の中心に立っていた。